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四国地方の寺



四国地方では、弘法大師空海の信仰に基づいた八十八ヵ所の寺院「四国八十八箇所霊場」が広く知られています。これら八十八の寺院を巡礼することを「四国遍路」と言い、巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれることでも有名です。こちらでは、この四国遍路と巡礼地である寺院をご紹介します。

四国遍路の歴史

平安時代、都から遠く離れた四国の地は修行者にとって修練の場でした。香川県讃岐国に生まれた弘法大師空海も同じく、四国で修行をしていたのです。そんな空海が開いた霊場が「四国八十八箇所霊場」。空海の入定後、弟子の高弟たちは空海のあとを辿って修行の旅を始め、これが四国遍路の原型だとされています。

江戸時代になると「真念」と言う僧による「四国遍路道指南」といったガイド本も書かれ、僧侶だけでなく庶民にも四国遍路が拡大。元々修業の道であった四国巡礼ですが、この頃になるとハンセン病や犯罪などで故郷を追われた人が、生涯四国遍路を行なう「職業遍路」と呼ばれるお遍路さんも増えました。

彼らは単に故郷を追われただけでなく、遍路をすることで病気が治るのでは、贖罪が許されるのではと言う信仰もあったことからです。明治時代の神仏分離令以降は、それまでの礼所であった神社から寺へ礼所を移したり、廃寺が増えたりするなどの問題も発生。今の八十八霊場の形へ落ち着いたのは1993年(平成5年)のことでした。

「遍路と言えば四国」と言われる程、四国遍路は全国に広く知られています。お遍路さんの目的は、仏様の供養や精神鍛錬修行、願い事を携える人、旅行として楽しむ人など本当に人それぞれ。

弘法大師の功徳を得られるだけでなく四国の豊かな自然の優しさ、厳しさ、人情の温かさに触れることができる四国遍路は、老若男女問わず様々な人を魅了し続けています。

四国八十八箇所霊場

四国遍路で巡る四国八十八箇所霊場は、阿波国(徳島県)に23寺、土佐国(高知県)に16寺、伊予国(愛媛県)に26寺、讃岐国(香川県)に23寺存在しており、巡礼の際は、弘法大師空海が共に歩む「同行二人」の理念のもと行なわれ、「金剛杖」は空海の分身として丁寧に扱われます。

こちらでは、八十八ヵ所寺院の中でも、主要な寺院をご紹介しましょう。

霊山寺(徳島県)

全工程で約1,460キロにもおよぶ四国遍路。この一番初めの発願の寺となっているのが徳島県の第1番札所霊山寺(りょうぜんじ)です。高野山真言宗の寺院で聖武天皇の勅のもと行基により開創。815年(弘仁6年)には弘法大師空海が留まり、37日間の修法をされました。

1番札所であるため、巡拝者はみなこれからの遍路の無事を祈願します。

本尊
釈迦如来
住所
徳島県鳴門市大麻町板東字塚鼻126

善通寺(香川県)

弘法大師空海の生誕の地とされる第75番札所善通寺(ぜんつうじ)。和歌山県の高野山、京都府の東寺(教王護国寺)と共に、弘法大師三大霊跡のひとつとして古くから信仰を集める真言宗善通寺派の総本山です。

平安時代に空海の父である「佐伯善通」によって創建された広大な境内は、金堂や五重塔が立ち並ぶ「東院」と、空海生誕地とされる「西院(御誕生院)」に分かれており、八十八寺院の中でも飛び抜けて規模の大きな寺院で、境内には露天も建ち並び、お遍路さん以外の観光客もたくさん見られます。

本尊
薬師如来
住所
香川県善通寺市善通寺町3-3-1

大窪寺(香川県)

八十八ヵ所結願(けちがん)の霊場である第88番札所大窪寺(おおくぼじ)。「結願」と言うだけあり、八十八ヵ所のお遍路を終えた方に弘法大師が願いを叶えて下さるありがたいお寺とされています。

こちらの寺には、奈良時代に行基により開創され、弘法大師空海が唐の恵果阿闍梨(けいかあじゃり)より授かったと言われる、三国伝来の錫杖が御本尊の薬師如来像と共に祀られているのです。長い四国遍路の旅の最後となる札所なので、共に旅をしてきた金剛杖や笠は、希望すれば奉納・供養してもらえます。

本尊
薬師如来
住所
香川県さぬき市多和兼割96