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人に話したくなる神社・仏閣のお話 第六回 本当は怖い昔話

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私たちが当たり前のように知っている日本発祥の昔話。しかし、昔に作られたこのお伽話や民話は、時代が経つにつれ様々な形で変化し、原典とは違った解釈になっているものもたくさんあります。そこでこちらでは、原典に沿った本来の昔話をご紹介しましょう。

一寸法師

一寸法師

子ども時代に一度は絵本等で読んだことのある定番の昔話「一寸法師」。身長が一寸しかない子どもが、勇敢にも鬼に立ち向かい姫を救う勧善懲悪の話。

この指程小さな人間が活躍する話は日本各地に伝承として残っており、「指太郎(岐阜)、」「五分次郎(岡山)」など呼び名は様々。その中でも代表的な物が「御伽草子」に収録された一寸法師なのです。

「御伽草子」とは、鎌倉時代から奈良時代にかけて成立した短編の挿絵入り物語のこと。ここに掲載された話がもととなり、現在の一寸法師の話が作られました。しかし、原典には現在伝わる話とは異なる恐ろしい面も存在しています。

現代の一寸法師のあらすじ

現代の一寸法師のあらすじ

あるところに老夫婦がいました。子どものない夫婦は子どもを恵んで下さるよう、住吉神社の総本宮である住吉大社に願いをかけ、背丈が一寸(3センチメートル)程の子どもを授かります。子どもは「一寸法師」と名付けられ、背が伸びることはありませんでしたがたいそう可愛がられすくすくと育ちます。

あるとき、一寸法師は京の都で武士になりたいと老夫婦の許しを貰い、お椀を舟に、箸を櫂(オール)に、針を刀にして京の都へと向かいます。野心を抱き上京した一寸法師は、立派な屋敷に住むお姫様の遊び相手として雇われることとなります。

ある日、お姫様のお供として清水寺にお参りに行った一寸法師は、お姫様を連れ去ろうと現れた鬼を見事に退治します。鬼が残した「打ち出の小槌」という、打てば願いごとが叶う宝物をお姫様が「大きくなあれ、大きくなあれ」と打つと、一寸法師の背はぐんぐん伸びて立派な若者に変身しました。

その後、老夫婦も京へと呼び寄せ、打ち出の小槌を使い金銀財宝を打ち出しお姫様と結婚。末代まで栄えたとのことです。

実は一寸法師を疎んでいた老夫婦

実は一寸法師を疎んでいた老夫婦

現在の物語では、小さな一寸法師を慈しみ大切に育てたとされる老夫婦。しかし、原典である御伽草子には、小さな体の一寸法師を疎んじている様子がはっきりと書かれています。

「つくづくと思ひけるは、ただ者にてはあらざれ、ただ化物風情にてこそ候へ。われらいかなる罪の報にて、かやうの者をば、住吉より給わはりたるぞや、あさましよと、みるめもふびんなり」

原作の文章を見ると、どれだけ疎んじていたかが分かることでしょう。大きな神社にお参りに行ってやっと授かった子どもなのに、ここまで言われて息子の心が傷つかないわけありません。野望を持ち上京したとされる一寸法師ですが、実は自分を疎んじる老夫婦のもとから逃げたかったのかもしれません。

姫の冤罪

姫の冤罪

原典の御伽草子では、一寸法師は朝廷に勤める宰相(さいしょう)の家に住むこととなります。のちに結婚するお姫様はこの宰相の娘ですが、姫に一目惚れをした一寸法師はなんとかして姫を手に入れるために悪事を働きます。

神棚に供えてあった米粒を寝ている姫の口に付け、「自分が蓄えていた米を姫様がこっそり食べてしまった」と嘘を吐き宰相に伝えました。非常に世間体を気にする宰相は、娘が泥棒を働いたと勘違いしてカンカンに怒り、娘を殺そうとします。

そこで一寸法師はその場を執り成し、姫を連れてお屋敷を出て行くこととなったのです。その出先で鬼と出会うこととなりました。現在の物語では、清水寺参拝の際に鬼に出会うとなっていますが、原典ではお屋敷を出た姫と一寸法師は舟に乗り、薄気味悪い島で鬼と出会ったと書かれています。

姫はこの米粒事件、濡れ衣を着せられたとはつゆ知らず、父親に殺されるところを助けてくれたと信じていますが、すべては一寸法師の姫を手に入れる作戦。この自分さえ良ければ人を貶めることも辞さない考えは、生まれたときから老夫婦に疎まれて育った環境が影響しているとも言えるでしょう。

本当の一寸法師は、現代の昔話に伝わるような単なる英雄ではなかったのです。小さく生まれて両親に蔑まれた劣等感から自分勝手な青年へと成長し、自分の欲求達成のために悪いことも躊躇なく行なう、策士で小狡い男だったのかもしれません。

三枚のお礼

三枚のお礼

青森県や埼玉県などに伝わる昔話のひとつ。「おにばばとこぞう」「たべられたやまんば」などの別名もあります。

現在の話では、山姥が寺の和尚に食べられてしまうのですが、各地に残る原典では細部に差異があり、山姥の最後も様々です。

現在の「三枚のお札」のあらすじ

現在の「三枚のお札」のあらすじ

寺につとめるやんちゃな小僧は、山に栗拾いに行くことに。心配した寺の和尚は山姥が出た際に使うようお札を三枚渡します。
栗拾いの途中、親切なお婆さんが現れ、家で栗を茹でてやると小僧をお婆さんの家へと招きます。その途中、お婆さんが山姥だと気づき便所へと逃げ込みますが、逃げないようにと縄を付けられた小僧。自分の身代わりに返事をするよう和尚からもらった1枚目のお札に命じ、便所の窓から逃げ出すことに成功します。

それでも追いかけてくる山姥に2枚目のお札で大水を、3枚目のお札で火の海を出し道を塞ぎますが、怯むことなく追ってきます。やっと和尚のいるお寺にたどり着いたときには、山姥はすぐ近くまで追ってきていました。そこで寺の和尚は、小僧を匿い「自分と化け比べをして、山姥が勝ったら小僧の場所を教えてやる」と山姥に言い、化け比べをはじめます。そして化けたことで豆粒程に小さくなった山姥を、和尚は餅に挟んで食べてしまいました。

便所の神様

便所の神様

山姥から逃げ帰った小僧のあとは、山姥と寺の和尚の知恵比べとなります。
しかし、原典のひとつであるとされる埼玉県川越市の民話では、和尚は出てきません。騙されて山姥の家に招かれ便所に駆け込んだ際、なんと便所の神様が現れて3枚のお札を小僧にくれるのです。

便所ではお札を使うことなく、便所の神様が小僧の声真似をして山姥を騙します。そして逃げ出し、追ってくる山姥に1枚目のお札を使い大きな山、2枚目のお札で川を出す小僧。しかし、山姥はいっこうに構わず追いかけてきます。そして、最後の3枚目の御札で海を出したことで山姥はその大海に飲まれ、小僧は助かりました。

昔は便所には、子どもを守る神様がいると信じられていたため、和尚ではなく便所の神様が助けてくれたという内容になっているのです。
現在の寺の和尚が出てくる話の中でも、和尚が山姥を食べてしまったあと、山姥は便所でたくさんのハエになって逃げていくといったくだりがある地域もあります。

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