

教会の場所は、熊本県天草市にある崎津諏訪神社の近くです。この場所は、﨑津集落の庄屋役宅の跡地で、禁教期に聖画像を踏ませてキリシタンかどうかを調べる「絵踏」が行なわれていたそうです。その後、解禁後にはフランス人のハルブ神父が1934年に新たな教会堂(現在の崎津教会)を建てる際、強い希望によりこの地を選び、かつての絵踏の場所に祭壇を置いたと伝えられています。 崎津教会は、1934年にハルブ神父と住民の寄附によって建てられた教会堂ですが、初代崎津教会堂は老朽化により現在の場所に新築されました。建築の際、新たなる教会はコンクリート造りの計画で建築されましたが、資金不足により途中で木造に切り替えられたため、灰色のコンクリート部分と白色の木造部分が混在する特殊な教会堂となりました。 教会の設計は、多くの教会建築に携わった上五島出身の鉄川与助によるもので、外観にはゴシック様式の特徴がみられ、堂内には、建設初から日本の生活様式を取り入れて畳が敷かれており、信徒たちは床に座ってミサに参加していたそうです。昨今では、NHKドラマの「TRUS COLORS」の撮影現場でもあったため、ドラマの人気と共に天草の魅力を伝えてくれている教会です。