瑞龍寺は、総門・山門・仏殿・法堂が一直線に並び、左右には僧堂と大庫裏を置き、周囲に回廊を配置した、鎌倉時代以降の典型的な禅宗様寺院です。
総門からまっすぐ一直線に続く参道の左右には白い玉砂利が置かれ、美しい障子と白壁の「山門」が目をひきます。山門の造営年は1820年(文政3年)。両脇には金剛力士像、楼上には釈迦如来(しゃかにょらい)が祀られています。
山門をくぐると左右に緑の芝生が広がり、実に雄大です。左右に廻された回廊が続き、規則的に並ぶ障子と壁の白さが青々とした芝生に良く映えて、壮大な伽藍(がらん)配置様式の優雅な美しさに圧倒されます。
伽藍の中心に位置する仏殿は、中国の宋から伝わった建築様式「禅宗様」。鉛瓦葺きで敷かれた屋根は全国でも金沢城石川門とここ瑞龍寺でしか見られない大変貴重な遺構です。
仏殿の奥にあるのが国宝に指定されている「法堂(はっとう)」です。総檜造(そうひのきづくり)で屋根は入母屋屋根の銅板葺き(どうばんぶき)、正面中央が軒唐破風(のきからはふ)。建物は方丈建築(6室から構成される建築様式)に書院造(貴族の住居様式)を合わせた造りが特徴です。
内部の6室のうち、中央奥の部屋は仏壇と大間のある内陣があり、左側には書院・上段の間があります。中央部の2室の天井は格子天井になっており、江戸時代の絵師・狩野安信が手がけた草花の絵や華やかな装飾が随所に施されています。
かつて住職の居住スペースであった大庫裏(おおくり)は江戸時代から明治元年にかけて撤去されましたが、1988年(昭和63年)から始まった瑞龍寺の解体修理に伴う調査で、詳細な寸法が書き込まれた古図面など当時の資料が発見されたことで、建立当時の姿が復元されました。
周囲約300mに及ぶ、大伽藍を取り囲む回廊は禅宗寺院最古の物。左右対称の回廊が残っている寺院は極めて少なく、大変貴重な建造物です。