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神社・寺院

元興寺(極楽坊)

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元興寺(極楽坊) 東門

元興寺(がんごうじ)は、奈良県奈良市にある真言律宗(しんごんりっしゅう)の寺院です。別名「極楽坊」。奈良時代に平城京周辺に存在していた朝廷から保護を受けた7つの大寺「南都七大寺(なんとしちだいじ)」のひとつであり、本尊は「智光曼荼羅(ちこうまんだら)」に描かれている「阿弥陀如来」です。

古都奈良の文化財のひとつとして1998年(平成10年)には、ユネスコ世界遺産に登録されています。また境内は国の史跡に指定されている他、多くの文化財を所蔵しており、国宝の「本堂」・「禅室」・「五重小塔」をはじめ、「東門」・「著色智光曼荼羅図」などは重要文化財に指定されており、数多くの文化財を見ることができる奈良を代表する寺院です。

別名
極楽坊
創建
-
宗派
真言律宗
指定文化財
(建造物)
本堂・禅室・五重小塔

歴史 History

元興寺(極楽坊) 境内

伝承によると、元興寺の創建は飛鳥時代の政治家、蘇我馬子(そがのうまこ)によって創建された日本最初の本格寺院である「法興寺」に起源を持つと言われています。710年(和銅3年)に都が平城京へ移されると、718年(養老2年)には法興寺も平城京へ移転し、寺名は元興寺と改称されました。

良時代になると寺院は最も栄えていき、東大寺や興福寺と並ぶ、広大な敷地と伽藍を有する大寺院として発展していきます。平安時代前期までは、南都七大寺の中でも、指導的な役割を持ち、数々の名僧を輩出。日本仏教の発展に貢献するだけでなく、お盆で知られる盂蘭盆会(うらぼんえ)、釈迦の誕生を祝う灌仏会(かんぶつえ)、文殊会(もんじゅえ)、仏名会(ぶつみょうえ)などの仏教行事は、すべて元興寺から始まったと言われています。

平安時代後期になると、律令制度の崩壊などの要因が重なって、寺院は次第に衰退していきます。中でも、1451年(宝徳3年)に起こった土一揆(つちいっき)によって伽藍の一部が焼失すると、元興寺は智光曼荼羅を祀る「極楽院」、五重塔を中心とする「元興寺観音堂」、「小塔院」の3つの寺院に分裂。3つの寺院の内、「元興寺観音堂」は東大寺の末寺、「極楽院」は西大寺の末寺となり、智光曼荼羅を祀っていることで多くの庶民から信仰を集めていきます。

江戸時代末期1859年(安政6年)には、「元興寺観音堂」の観音堂と五重塔が火災で焼失。明治時代に入ると、寺院はより一層衰退していき、本堂も荒廃していましたが、1943年(昭和18年)辻村泰圓和尚が住職に就任すると、寺院は修復工事が開始され、本来の姿を取り戻します。寺名も南都極楽院から元興寺へ改称されました。

特徴 Characteristic

元興寺(極楽坊) 極楽堂

元興寺の入り口は「東門」が表門にあたります。1411年(応永18年)に東大寺西南院の門を移築。国の重要文化財に指定されています。

東門をくぐると正面に建てられているのが、国宝に指定されている「本堂」(通称「極楽堂」)です。本堂の背後には、馬道を挟んで「禅室」と呼ばれる僧坊が続いており、本堂と禅室で分けられていますが、もともとは12室あるひと続きの僧坊として建っていました。

本堂は僧房を内陣とし、それに外陣を加えて建てられており、屋根は妻入りの寄棟造。通常、中央に柱が入る行(けたゆき)は奇数間にするのが一般的ですが、こちらの本堂は桁行6間、梁間(はりま)6間と言う珍しい形式の仏堂です。

建築様式は日本古来建築様式「和様」を基本としながらも、木鼻(きばな)や桟唐戸など、宋から伝わった建築様式「大仏様」の特徴も随所に見られます。内陣の天井は、宋から伝わった建築様式「禅宗様」の1枚の板で張られた鏡天井を採用するなど、鎌倉時代に伝わった新技法を積極的に採り入れた「新和様」の代表的建造物です。

禅室は本堂と同様、和様を基調としながら大仏様の特徴も随所に見られます。また本堂と禅室の屋根の一部には、飛鳥時代の古瓦が使われており、上部が細くすぼまり、下部が幅広い独特の瓦が特徴。この瓦を重ねる葺き方を行基葺(ぎょうきぶき)と呼びます。

収蔵庫に安置されている「五重小塔」は、実物大の10分の1の模型ですが、建造物として国宝に指定されています。奈良時代の五重小塔の遺構を完全に伝える唯一の建造物として、極めて貴重な文化財です。

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