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宮司とは/ホームメイト
「宮司」とは神々への祭祀、信者との橋渡しを務める役割を指します。宮とはかつて皇族の住まいを示す言葉であり、宮司は皇族の宮で働く官人を意味していました。しかし、時代とともにその意味は変化し、神社の建立、さらには神への祭祀を執り行う職を指すようになったのです。「宮司とは」では、宮司の役割や日常について詳しく解説します。
宮司とは
宮司とは?

宮司とは神職の長であり、神社の代表者です。神事や祭祀を司り、神社におけるすべての管理運営を務めます。
宮司は36代「孝徳天皇」(こうとくてんのう)の在位中に、「伊勢神宮」(いせじんぐう:三重県伊勢市)へ初めて置かれ、祭主(さいしゅ:伊勢神宮における最高位の神職)に代わって、社領の財政を担いました。
その後、「熱田神宮」(あつたじんぐう:愛知県名古屋市)、「鹿島神宮」(茨城県鹿嶋市)、「香取神宮」(かとりじんぐう:千葉県香取市)、「気比神宮」(けひじんぐう:福井県敦賀市)、「宇佐神宮」(うさじんぐう:大分県宇佐市)、「宗像大社」(むなかたたいしゃ:福岡県宗像市)、「香椎宮」(かしいぐう:福岡県福岡市)へ小宮司(しょうぐうじ:神宮における上位の神職である大宮司[だいぐうじ]の補佐)と、権宮司(ごんぐうじ:宮司の補佐)が置かれたのです。
また、明治時代に制定された「官国幣社制」(かんこくへいしゃせい)では、最高位の神社である「国幣大社」(こくへいたいしゃ)に大宮司と少宮司を、中位の神社である「国幣中社」(こくへいちゅうしゃ)へ、宮司と権宮司を配置。第2次世界大戦終了後に官国幣社制が廃止されると、神社に配置された神職の長をすべて宮司と呼ばれるようになったのです。
宮司の仕事

神社の規模によって宮司の仕事内容は変わりますが、一般的な規模の神社における宮司の仕事は、以下の通りとされています。
- 境内の清掃
- 祭事、祈祷
- 氏子の管理
- 授与品の管理
- 境内の造作物、祝詞の作成
- 地鎮祭、上棟祭、俊工祭など「外祭」(がいさい:出張祭典)の実施
なお、宮司の年収は、大神社で年収2,000~3,000万と大企業の役員並みですが、8割以上の宮司は年収100万円以下であるため、兼業が多いのです。なお、宮司ひとりが複数の神社の宮司を兼任していることもあります。また、超少子高齢化社会で、宮司の後継者不足も深刻な問題。伝統的な価値を守りつつ、時代の変化に対応していくことが求められているのです。
神職の階位と身分、職階について
神職は神社の規模、社格に応じて階位と身分、職階を持つことが特徴。通常の神社では、宮司が神社の最上位の神職者として、主祭神への奉仕や祭祀の指導、神社の運営などを担当します。古い歴史を持つ大社では、宮司の下に複数の職階が存在。「明治神宮」(めいじじんぐう:東京都渋谷区)では宮司、権宮司、禰宜(ねぎ:宮司の補佐)の順となっています。
また、伊勢神宮は独自の職階を持ち、最高位の神職は祭主。祭主は「神嘗祭」(かんなめさい)をはじめとする祭事で、天皇に代わって主祭神に意向を伝える役割を担っており、祭主の下には、実際に伊勢神宮を運営する大宮司と、少宮司が配置されているのです。
神職の階級
神職は神職階位、神職身分、職階の3つに分類されています。
- 神職階位
神職階位は、5段階に分かれており、上位から「浄階」(じょうかい)、「明階」(めいかい)、「正階」(せいかい)、「権正階」(ごんせいかい)、「直階」(ちょくかい)です。これら神職階位は、神社本庁の「階位検定委員会」によって選考されます。 - 神職身分
神職身分は、上位から特級、1級、2級上、2級、3級、4級の6段階です。神職身分は、対象となる神職の経歴、人格、神道及び神社に対する功績により、神社本庁の「身分選考委員会」が決定。また、神職身分により袴の色が異なり、特級は白、1級から2級まで紫、3級と4級は浅葱色(あさぎいろ:浅黄色)とされています。 - 職階
職階は、上位から宮司、権宮司、禰宜、権禰宜(ごんねぎ)、出仕(しゅっし)。宮司、権宮司、禰宜は、それぞれ1社につき1名が原則です。
宮司の階位と身分
宮司は前述の神職階位が明階以上であり、神職身分は2級上以上とされています。なお、「神主」(かんぬし)は宮司の別称としても使われている言葉ですが、神社本庁が認めている名称ではありません。
宮司になるには
宮司になるためには、神職の国家資格が必要。神道系大学へ入学するか、神職養成所にて学ぶ必要があります。
神道系大学に通う
「皇學館大學」(こうがくかんだいがく:三重県伊勢市)、「國學院大學」(こくがくいんだいがく:東京都渋谷区)にて単位を取得したのち、指定神社で実習。その後、奉職先(就職先)にて神職の資格を取得するのです。神社によっては、神道系大学生が実習で正月時に派遣され、奉仕を行っています。
神職養成所で学ぶ
全国各地にある「神職養成所」でも、神職になるための資格を得ることが可能です。神道系大学とは違い、2年間で資格を取得できますが、高卒以上で25歳以下など、学歴及び年齢制限が存在。なお、神職養成所は以下の場所に設置されています。
