慈恩禅寺
久しぶりに岐阜へ帰ってきた息子を「ご朱印がもらえるお寺に行こう」と、誘いました。
御朱印集めにはまっている息子がNOというわけもなく、息子が行くと言えば、どこへでも喜んでついてくる妻の誘いだしにも成功し3人でドライブがてら郡上八幡にある「慈恩禅寺」へ行ってきました。
ちなみに「ミステリーツアー」と称して行先は2人に告げずに出発。
私も行ったことはないですから、このツアーの参加者ということになりますね。
国道156号線からそれ、交通量が多い山沿いを走り続け乙姫トンネルを抜けたすぐにお寺駐車場の看板がありました。
観光バスが数台停めれる広い広い駐車場なのに、車が一台も止まっていません。
お寺らしき建物も見当たりません。
今日はお休みなのか?ここで合っているのか?
不安ではありましたが、車を停め辺りを歩いてみることに。
乙姫トンネルを戻ってみるとお寺の入り口がありホッとしました。
お墓の間を通り抜けると綺麗な建物が建っていてご住職にご朱印をお願いしました。
「御朱印帳はお帰りにお渡ししますので、中へどうぞ」と。
実はご住職に勧められた慈恩禅寺の奥庭「庭園 てっ草園」が私のお目当てでした。
廊下を進むと畳の部屋が見えてきて、その部屋に入った途端突き抜けるほどの解放感と瞬間に現れた別世界に一瞬戸惑いました。
庭との境には窓などが一切なく、おずおずと朱色の毛氈がひかれた縁側に座ります。
目の前にはゴツゴツと高くそびえる岩山、その間を縫うように落ちる滝、太陽に照らされて生命力に溢れる緑の木々、ビロードのように美しい苔、周りの景色を映す静かな水面の池、池の中を悠々と泳ぐ鯉。
こんなにも色彩豊かなこの世界は美しい!と柄にもなく感動しました。
この空間にいるのは私達3人だけ。
滝の音を聞きながら、何も言葉を交わさず、おのおの自分が一番居心地の良い場所で好きなだけこの奥庭を楽しみました。
なんとも贅沢で幸福な時間を過ごしました。
帰り際ご住職に「今日は京都から?」と問われ「岐阜市です」と答えしばし談笑。
御朱印が京都ばかりだからなんですね。
「秋は紅葉で美しいですよ。また、どうぞ」と声をかけていただき帰路につきました。
春夏秋冬の景色を是非見たいと思いました。