尾張四観音のひとつ「荒子観音」
地元の名刹をご紹介させて頂きます。
正式名称は「浄海山円龍院観音寺」という名前らしいのですが、地元でそう呼ぶ人は見たことありません。
地元民はみんな「荒子観音」もしくは「荒子の観音さん」と呼ぶので、逆に正式名称だと地元の人間には通じないかもしれないです。
外見は本堂、山門共に荘厳な見た目をしており、由緒の正しさを知らずとも敷地に入るだけで感じるものがあると思います。
特に山門の木細工の緻密さは是非しっかり観察して頂きたいです。
来歴ですが、浄海山円龍院観音寺は天台宗のお寺であり、泰澄という奈良時代の僧によって天平元年(729年)に創建されたと言われる非常に由緒正しいお寺です。
もっとも、興廃を繰り返しているとも伝わっており、創建当時は別の場所にあったとも伝わっています。
特に天正4年(1576年)の本堂再建を行ったのは戦国時代の有名武将である「前田利家」であり、その証拠となる前田利家の甲冑も寄贈されています。
多宝塔は天文5年(1536年)に再建された建物であり、名古屋市内に現存する最古の建物として国の重要文化財に指定されています。
もちろん寺号は観音寺であり、甚目寺観音、龍泉寺観音、笠寺観音と共にいわゆる「尾張四観音」の一つとして数えられています。
荒子観音で特に有名なのが1200体を超える「円空仏」。
「円空仏」とは仏師・円空が残した素朴で荒々しい造形の仏像のことなのですが、そのいかめしい独特の造形には圧倒されるものがあります。
正直に言って、子供時代には怖くて仕方なかった記憶があります。
なお、仏師・円空にちなんだ「円空市」という市(いち)が毎月第一日曜に行われています。
結構な賑わいなので、良ければご参加下さい。
アクセス方法についてですが、公共交通機関をご利用の場合は名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の「荒子駅」が最寄り駅になります。
駅を出て南西方向に向かうとすぐに「荒子公園」が見えてくるのですが、そのすぐ南側に荒子観音はあります。
お車の場合も荒子観音には50台ほどが停めれる無料駐車場有りますので、特別な催事でない限りは問題ないと思います。