四国八十八カ所の第7番札所、光明山 十楽寺 蓮華院
四国八十八カ所の第7番札所、光明山 十楽寺 蓮華院へいってきました。
寺への道ですが、第六番安楽寺から、県道139号線を土成インター方面へ500mほど歩きます。やがて道は二股に分かれますが、これを右手のほうに入ると、道はしだいにゆるやかな登り坂となります。
約500mほど歩くと、右側に神社がります。ここまで来れば、めざす第七番目札所、十楽寺は近いです。町の人たちと会釈を交わしながら5分も歩けば、やがて堂々とした山門、その後ろに軒をつらねる伽藍が見えてきます。
歴史と由来についてですが、弘法大師は四国霊場開創の旅の途上で、この地に逗留したとき、にわかに阿弥陀如来を感得したそうです。すぐ近くにあった楠に、その感得した阿弥陀如来の姿を刻み、これを本尊として堂宇を建立したのが寺のはじまりです。
四国八十八カ所霊場第七番目の札所となり、やがて阿波北部では最大の寺として栄えました。広大な境内には大伽藍が建ち並んでいたといいます。しかし、天正年間(1573~92)阿波国も戦国の兵乱にさらされ、この寺も度重なる兵火によってすべての堂宇は焼失してしまういます。
幸いにも、創建時より伝わるご本尊は焼失を逃れ、江戸時代の寛永年間(1624~44)に寺が再興されたとき、再び本堂に安置され安住を得ています。寺は天保年間 (1830~44)から明治時代にかけて逐次造営され、現在の寺観を整えました。比較的小さな寺の多い八十八ヵ所寺院のなかでは、その堂々とした寺観は、訪れる人の印象に強く残ります。
利益とエピソードについてですが、光明山という山号には、もちろん心の闇(苦悩)からの開放という意味が込められていますが、本堂の手前には、文字どおりの光明をもたらしてくれるお地蔵様があります。昔から眼病や盲目に霊験があると伝えられ、地蔵の前では、いつも熱心に祈る人々の姿が絶えないといいます。
この寺のトレードマークでもある中国風のエキゾチックな雰囲気の鐘楼門は、記念撮影にも絶好のポイントですね。楼門からつづく長い石段に沿って並ぶ約70体の水子地蔵も圧巻です。また、境内には寺宝も数多く所蔵されています。たとえば、真田幸村が使用したという茶釜などは、歴史や講談などのファンのあいだでも人気が高いそうです。八十八ヵ所の寺院のなかでも境内はかなり広く、壮観な伽藍群を眺めながらのんびりと散策を楽しむのもいいです