大日寺(第13番札所)
第十三番札所 大栗山 大日寺 花蔵院へ行ってきました。
寺への道ですが、焼山寺から山道を一気に下り平地に出ると、 やがて道は鮎喰川にさしかかります。 その名から連想されるとおりの清き流れを眺めながら橋を渡ると、国道439号線にぶつかるとおもいます。第十三番札所大日寺へは、国道を左へ進み、2kmほど歩いたところで道は鮎喰川の南岸ルートと北岸ルートの二股に分かれます。
北岸ルートは、 川の流れに近く自然の景観も素晴らしいようです。また、南岸ルート沿い
には民家が多く、商店や食堂などが点在しています。 距離はどちらもそれほど変わらないので、好みにあわせてルートを選択するといいと思います!
第十二番から第十三番までは、 約30kmです。車で30分、徒歩にして約8時間。幸い、道は比較的平坦ですね。
歴史と由来についてですが、この寺の創建は弘仁6年 (815) のことになります。 巡錫中の弘法大師がこの地で護摩修法を行っていると、空中に紫雲とともに大日如来が出現し、「この地は霊地なり、心あらば一宇を建立せよ」と告げられたのだといいます。大師はさっそく、大日如来の姿を刻んで本尊とし、堂宇を建てて安置しました。 寺名も、この伝説にちなんだものです。
のちにこの地に阿波国の総鎮守である一宮神社が創建されると、この寺はその別当寺院にもなっています。 天正年間(1573~92) の兵火で、創建時の堂宇はすべて焼失してしまいましたが、大師が刻んだ大日如来像 行基作の本尊 十一面観世音菩薩など貴重な仏像の多くは現存し、安置されています。
利益やエピソードとしては、本尊 十一面観世音菩薩像は行基の作で、もともとは一宮神社にあったものですが、明治時代の廃仏毀釈によって、大日寺に移され本尊となりました。これにより創建当時からの本尊であった弘法大師作の大日如来像は脇侍仏になります。これも、明治時代初頭の廃仏毀釈が生んだエピソードのひとつです。
また、大日寺の奥の院にあたる建治寺の本尊金剛蔵王大権現は、心身の悩みを解決するための霊示を与えてくれることで知られています。住職を介して授けられるそのお言葉は 「おうかがい」 とも呼ばれ、お遍路たちに希望と勇気をもたらします。その言葉のお陰で不眠症や神経症が快方に向かったという例も多いそうです。