道真公と古戦場
”学問の神様”として広く知られる菅原道真。その名高さから全国至るところに祀られていますが、こちら東京都町田市にもあり、それがこの「菅原神社」です。
原町田の「町田天満宮」、南大谷の「天神社」とともに”町田三天神”の一社として周辺に住む人々から永らく崇敬されてきました。
この天神様の最大の特徴は、東京都旧跡”井手の沢古戦場”の上に建っているということです。
12世紀末頃の鎌倉時代、北関東から幕府へと繋ぐ鎌倉街道が整備されたとき、この地は丘陵地であるため鎌倉へと一気に兵が押し下れることから、街道の重要な地点となったそうです。土地の形状から砦のような城が築かれていたのではないかという歴史研究家もいるそうです。
なお”古戦場”というのは鎌倉幕府から室町幕府へ遷都する過渡期に起きた”中先代の乱”の舞台となっているからです。この争いでの数多くの犠牲者を鎮めるために、京都の北野天神から授かった天神像を丘の頂上に奉ったことが、この神社のルーツとされています。
由緒あるこの神社では、通常の参拝はもとより、御祈祷も受け付けています。初詣・七五三や厄祓いに始まり、”学問の神様”菅原道真が祀られていることから合格祈願、車を直接清め祓う交通安全祈願、他にも安産祈願や商売繁盛祈願などもうけたまわっています。
出張祭典として地鎮祭・上棟祭・竣工祭や、これから入居する家のなかを清め祓う家祓も行なっております。
境内のなかには社殿や神楽殿が並ぶ一方で、自然溢れる”林”も広がっています。杉や松が生い茂り、日中でもやや薄暗いほどです。季節ごとに鳥も遊びに来て、時にはキツツキが木をつつく乾いた音が響きます。また高い丘の上にあるだけに、端の方へ行くと鎌倉街道を眼下に広く見渡す光景は、他ではなかなか見られないと思います。
片隅には”井出の沢古戦場”の石碑がうっそりと鎮座しており、この土地の歴史の深さと由緒の正しさを静かに物語っております。