東京都青梅市／
東京都青梅市富岡にある常福寺（じょうふくじ）は、自然に囲まれたとても落ち着いた雰囲気のお寺です。観光地として有名というわけではありませんが、だからこそ静かにゆっくりとした時間を過ごすことができる、知る人ぞ知る隠れた名所です。私も一度訪れたことがあるのですが、初めて行ったときのあの静けさと、緑に囲まれた空間の心地よさは今でもはっきりと覚えています。 常福寺は、天台宗のお寺で、正式には「新井山 常福寺（しんせいざん じょうふくじ）」といいます。創建は室町時代とも言われていて、とても長い歴史を持っています。このお寺がある富岡地区は、青梅市の中でも特に自然が豊かで、田畑や山々に囲まれたのどかなエリアです。そんな静かな場所にひっそりと建つ常福寺は、まるで時間がゆっくりと流れているような、心が安らぐ空間でした。 本堂へと続く石段の道を登っていくと、左右に立派な木々が並んでいて、木漏れ日がとてもきれいです。特に晴れた日の朝なんかは、太陽の光が木々の間から差し込んで、本当に幻想的な景色になります。本堂は素朴で温かみのある造りで、昔ながらの木の香りがほのかに漂っていました。境内には地元の方が手入れをしている花壇もあり、四季折々の草花がさりげなく咲いています。春には梅や桜が咲き、秋には色づいた紅葉がとても見事です。 また、常福寺は「青梅七福神めぐり」のひとつにも数えられており、ここには「寿老人（じゅろうじん）」が祀られています。寿老人は長寿と健康を司る神様で、お正月の時期になると多くの人が七福神めぐりを楽しみながら参拝に訪れます。私が訪れたのは春先でしたが、地元の方に聞いたところ、お正月には少しだけ賑やかになるそうです。それでも基本的には静かで落ち着いた雰囲気が保たれていて、どこかホッとするような空気感が魅力です。 個人的に印象に残っているのは、常福寺の近くで見かけた猫たちです。数匹の地域猫がのんびりと日向ぼっこをしていて、お寺の静けさと相まって、なんだかとても穏やかな気持ちになれました。誰にも邪魔されない時間を過ごしたいとき、自然の中で心を休めたいとき、常福寺のような場所は本当におすすめです。 アクセスは少し不便かもしれませんが、それもまた魅力のひとつ。都会の喧騒から離れて、自分と向き合う時間を持つにはぴったりの場所だと思います。
