万燈籠の時期に参拝してください
春日大社は、奈良市に建つ神社で、全国各地の春日神社の総本社として知られています。
春日神社は、全国に千余りの数があり、春日神を祀っています。
春日神は、一柱の神のことを指すのではなく、タケミカズチ、フツヌシ、アメノコヤネ、カスガヒメの四柱の神々の総称です。
これらの神のうち、カスガヒメ(春日比売)のみ正体が不詳となっており、天照大神や宗像三女を指すといったり、諸説あるのが特徴です。
創建は奈良時代、藤原不比等によって建立されました。
以降、藤原氏の氏神とされて、藤原氏の権勢が強まるにつれて、春日大社の力も増していきます。
藤原氏の権勢が最も大きくなった藤原道長の時代、道長は幾度も春日詣を行っていました。
当時の皇族もこぞって春日詣をしたということから、藤原氏の力がどれほど大きかったかが推測できます。
そんな春日大社は、世界遺産に指定されており、現在も多くの観光客が訪れています。
春日大社の見どころとして、一番に挙げられるとしたら、やはり朱塗りの社のたたずまいでしょう。
緑に囲まれた鮮やかな朱の建築は、コントラストがあり、雅な雰囲気を醸し出しています。
また、神苑にある萬葉植物園は、藤の花をはじめ草花が咲き誇っており、散策にはもってこいです。、
藤の花が見ごろとなる春は、多種多様な藤がグラデーションを生んで、とても美しい風景となるため一見の価値があります。
ほかにも、春日大社といえば万燈籠も忘れてはいけません。
毎年2月と8月に行われる万燈籠は、境内に立ち並ぶ3,000余の灯篭に火を灯す神事です。
宵闇に浮かぶ灯篭の明かりが、大社の朱色を染め上げるさまは、異世界に迷い込んだかのような美しさで、筆舌に尽くしがたいものがあります。
万燈籠の起源は、室町時代に行われた神事だとか。
長きにわたって、寄贈されてきた灯篭は、時代ごとに形状を変えており、比べて見て回るだけでも面白いです。